アスワン　Aswan

　アスワンのナイルは美しい。澄みきった空が、流れに映えるからだろう。
　帆舟ファルーカに揺られ静寂の川面をゆく時間は、アスワンならではのものだ。

　ファルーカのセイリングは、午後がよい。上陸先は回遊時間によるが、エレファンティネ島、キッチナー島、アガカーン廟、聖シメオン修道院跡、古王国の墓などたくさんある。どこにも上陸せず、セイリングに身をまかせるのもアスワンらしい楽しみだ。



　アスワン２　　フィラエ島
　アブシムベル
　コムオムボ　　ルクソール

花崗岩の石切場
Quarry

　アスワンは数千年の古代エジプト王国時代を通じて、花崗岩の唯一の採掘場であった。ここで適当な大きさに刻まれた花崗岩は、船で往時の都テーベ（現ルクソール）や、メンフィス（カイロ近郊）などエジプト各地に神殿や、石棺、石像などの素材として運ばれていった。遠く海を渡りレバノンまで運ばれた記録もあるという。

　左は採掘中にひびが入り、放置された新王国時代の尖塔オベリスクで重さ1,100トンにも達しているという。