野の花 山の花 8月

ユウガギク

柚香菊
キク科
8月中旬
青梅市の低山


 この春から時々訪れる湿原がある。湿原といっても、かつての山間の田んぼ跡で、開けた静かな空間が広がっている。
 立秋が過ぎ、この秋最初の野菊が咲きだした。優雅な雰囲気があるユウガギクである。花の終わった果をつぶすと柚の香りがする。


アキノタムラソウ

秋の田村草
シソ科

8月中旬
青梅市の低山


 このあたりの里山は宅地開発の予定地である。反対運動もあり、どうなるかわからない。
 数年先には切り崩されるかもしれない斜面にアキノタムラソウの群落だ。風に揺れる長い花穂は一つではもの足りないが、数をなすと、行く夏を送るようだ。


ガンクビソウ

雁首草
キク科

8月中旬
青梅市の低山


 ガンクビソウの花はこれから開くのかと思うと、これでおしまいである。写真は開花している状態だ。
 美しく開花することによって虫を呼ぶ草花が、進化の過程でなぜこうなってしまったのか、不思議な植物だ。
 雁首とはキセルの先端部の名称である。現在では見かけないが、祖父が明治の人で、よくキセルを使っていた記憶がいまも残っている。

ハグロソウ

葉黒草
キツネノマゴ科

8月中旬
青梅市の低山


 ハグロソウはピンクの小さな花びらが一つだけで、片方は落ちてしまったようにも見える。いかにも蚊が出そうな夏の陽の陰った樹林下の草藪に多い。
 これまでは何となく見過ごしてきたが、このときは、草も浅かったので、座り込んでカメラを取り出す。1分もしないうちに、蚊の襲来だ。


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