カノープス Canopus
山際低く南中するカノープス。1月初旬。青梅丘陵。40分開放。エクタクロームISO100
おおいぬ座からカノープスへ
写真上部の2つの光跡は、おおいぬ座の2等星、上が
Wezen 1.8等、下が Adhara 1.5等。
カノープス -0.7等
は丘陵上の赤い照明塔を通過して伸びるかすかな光跡である。
撮影地 東京都青梅市 2000年1月3日
カノープスは、シリウスに次ぐ、全天第2の光度を誇るアルゴ座(りゅうこつ座)のマイナス等級の輝星であるが、東京付近の緯度ではあまりに地平線低く、照明や大気の汚れなどで減光し観測が難しい。
この夜、月は無く、空も冴えていたが、市内の灯りと東京方面の灯りが妨げとなる。空に映える照明は何とかならないものか。
観測の時期としては1月から3月頃となる。さほど寒くない11月頃も可能だが未明の2時や3時頃、山へ登るのは実際困難である。
1、2月では23時頃となるが、季節風が吹き南の地平線まで晴れ渡った日に限られる。そんな夜は特に寒く、山へ登るにはそれ相応の気合がいる。
何とか覚悟して、夜中に登って見ると、夕方は晴れていたのに、なぜいま地平線には雲があるかというようなことも何度かあった。
この夜もかなり寒かったが同好の友人がおり、念願のカノープスがなんとか初めて撮影できた。
カノープスの東京付近の南中高度は2度未満と極めて低く、観測は南中の30分前後の時間帯に限られる。地平線の際では1度高度が低くなると大気の汚れのため大きく減光してくる。
濁った大気を切り裂いて時に赤くまたたくカノープスは感動的ですらある。